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ゲレンデは前日の雨がその夜、雪に変わり
朝一は硬く 締った最高のコンディションを迎
えた。今回標準のスタンスから10ミリ前に
ズラした。少しボー ド前方の噛みに不満が
有ったからだ。効果はバッチリ で懸案であ
ったフロントサイドのコントロールが安定 し
た。やはり、ちゃんとスタンス設定はしなくっ
ちゃね?。これで安心して谷に飛び込んでゆ
ける。
ゲレンデコンディションは最高だし、月曜
日の祝日、朝一はスカスカ。かなり気合いを
いれて行 く。超軽量なスノースティックAP
はやはり、最新マテ リアルの組込みで最
高の滑りを提供してくれる。アルミプレートを
左右2枚パラレルに配置した構成 ではある
が、手に持った感触では心配な程柔らか
く、 滑り出しなどの低速では、ゲレンデの不
整等を足裏に正確に伝える程の柔らかさ
だ。だが、これは見せかけだけで、面で乗る
時は“舐める様に雪面に張り付き”、 エッジ
に乗る様になると、途端にハードな感触に
一変 する。つまり、興味深い性格で、結果
的に左右エッジ のテンションを完全に隔て
る構造にもなっている様 だ。
これは、最新のメタルプレートを組込まれ
たレースボードには無い際立つ構造であ
る。しかし、安心して 欲しいのだが、アイス
バーンでも左右に別けて組込まれたアルミ
プレートの効果で滅法強いのだ。手持ち の
感触とライディングの感触は全く異なる。多
分、ボード左右のテンションが断 ち切られ
ているからだろうが、最新のレースボードに
顕著な、操作ミスからアイスバーンでもエッ
ジが“噛 み付いて＂の暴走が起こりにくく、
エッジングは自由自在にコントロールが可
能となる。
この様なボード左右の不要なテンション
の排除は、 以前から問われているが、残念
ながらあまり多く実現 される事は無かっ
た。実現しているのは、非対象、若 くはテ
ールスプリットのシムスのバーナー当たりが
思 い浮かぶ。現在ではメタルプレートは全
面に配置さ れ、スピードを得る為に必要な
剛性を目指し、レースボードとしての性格
上、操作性をあまりとやかく問われる事は
無く、操作はミスの結果も含めて全て己れ
の技量に任される。
スノースティックAPは上記内容から現在
の最新レースボードと同様の効果を求めな
がら、操作性では全く異なる性格に仕上っ
ている。私のレポートから誤解をされてはい
けないので確認しておくが、スピード、ター
ンの性能はレースボードに近い所まで作り
込まれている。スノースティック独自の“超
軽量と左右エッジの少ないテンション”を自
分のライディングに、どう取り入れるか？に
かかって来る。ここは要注意で、出来る限り
雪面から離さない、プレス若くは抱え込み
のライディングの方が全てのメリットが活き
る様だ。更に、秀逸なデザインは最新ボード
の中でも際立ってカッコイイ(好みはあるだろ
うが)。
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もう、０８－０９シ－ズンも終盤、何ともカ
ッコイイスノー・ボードが目に止まる。
ん？、スプリット・テール＆ハンマー・ヘ
ッド？！。早速調べると、国産最古参の
ＭＯＳＳのカタログに有るという。・・・し
かし、見つからない。そりゃぁそうだ!!、
全く別の“snowstick”という別のライン
ナップに有った。“snowstick”と言えば
パウダー・オンリーのコアなカテゴリー
だとばかり思っていたので、本当にアル
ペン・モデルかぁ～？。でも、ハッキリ言
って“やたらカッコイイ”のだなぁ～。
んで、取り敢えずスペックね！。
Length ; 1620
EF.edge ; 1435
Sidecut.R ; 10900
Waist ; 195
（ｽﾗﾝﾄされています。）
Stance ; 470(410-530)
Set Back ; 60
(ｶﾀﾛｸﾞ表記は-60です。)
以上ミリメートル表記。
構成は
Construction ; Santwich
Core ; Balsa/Poplar/
Aluminum
Base ; P-Tex2000Graphite
三月終盤～四月初旬での降雪と低温
という絶好のコンディションはやはりチャ
オならではだ。モスの試乗会で、恐る恐
るウィンター・スティックＡＰの有無を確
認すると、大盤振る舞いでフル・ラインナ
ップの試乗会に感激する。
知り合いの係員に感想を尋ねると、ニ
ヤリッと形相をブチ壊して”最高、欲し
い！”との絶賛にビィンディングの取付も
モドかしく妄想は爆発寸前、気分はレッ
ド・ゾーンだ(゜.゜)。絶品のデザインに見
取れながら手にすると、か！、軽っ！。
もう、脳みそ沸騰ですな。まんまレーシ
ング・トレンドに70'yストライプデザイン
でハマリます。これで滑りが良ければ、
もう、イッちゃいますな(*^▽^*)。 |
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んで、ゲレンデ頂上へ。コンディションは浅
パウ・荒れ気味。早速装着、1・2・3ターン。
軽っ！。行けるでしょ、コレ！。安心してガッ
ツリ噛まして攻め込むと、手押し感触ベロベ
ロのフレックスに相反して、エッジ・センター
を中心とした、エリアの剛性はビシッとし
て、まったくヨレたり逃げたりしないのに関
心して更に攻め込む。結局、ノンストップ、
狂喜で滑り降りる。途中止まるのがモドかし
い位の楽しさだ。誤解されるといけないの
で、説明しておくが、この手押し感触のフレ
ックス感とライディング時のビシッとした剛性
感のギャップは、最新のメタル・プレート入り
のボードでは瀕回に見られる現象で、全く
心配は要らない傾向の様です。特にレーシ
ングモデルよりも、より軟らかいフリー・ライ
ディング・モデルの方が顕著に現れ、心配
する程に軟らかい場合が有るが、実際乗っ
てみると大違い、というのが現実で今や手
押しの感触は余り充てにならない様だ。
最新トレンドデザインである”ハンマー・ヘ
ッド”は単純にデザインとして取り入れた訳
ではない。エッジのリア部分を積極的に加
圧するライディングを要求し、センター加圧
のライディングではフロント部分が何ともフラ
フラと落ち着かず、、オンザ・レールのグリッ
プは得られない。だからと言って、フロントの
グリップ狙いで前足加重しても、ヨレル様に
アンダー・ステアに陥るだけでグリップは期
待出来ない。この傾向はロング・ターン時に
顕著に顕れた。試しに、ショート・カービンク
に持ち込み、後ろ脚加重気味にすると、気
持ち良い程決まってくれる。しかも、メタルプ
レート入りボードに見られ特性で、脚場はし
っかり確保するが過度な反発とは無縁なの
がありがたい。
残念ながら、試乗会では時間が限られゴ
ンドラ２本がやっとでインプレッションはここ
までだ。つまり、完全に”後ろ乗り”を要求さ
れる。これは最新のメタルプレート入りのレ
ーシング・ボードの顕著な傾向なので、避け
る術は無い。ただ、ウィンター・スティックＡＰ
は、完全なプレジャー・ボードなので、テー
ル部分のパワーが（強烈にそそる、スプリッ
ト形状なのだ！）レーシングモデル程強烈
なパワーを発揮する訳では無く、しなる構造
だからコレを活かすライディングが別途必要
なのだろう。ただ全体的な印象から、その
驚異的な”軽やかさ”も含め”タダ者では無
い”予感が強烈に我が身を貫く。 |
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今までのライディングを少し変えるだけ…であ
れば、Ｆ２・バンテージは実に強烈なパフォーマ
ンスを同様に与えてくれる、と言う事も事実であ
る。多分ウィンター・スティックＡＰは、その対極
に存在する予感がするのだ。
予感は確信に！！。
出発ギリギリに送られて来たメーカー試乗ボ
ードを受け取りチャオを目指す。自分の標準で
ある46㎝～47㎝、Ｆ側54度・Ｒ側48度（Ｆ２ワ
ールドカップのセッティングに同じ）。
朝一番、ザラメが硬く締まったアイスに似たバ
ーンを滑り出す。ロングターンはセンターからリ
アにかけての剛性がシッカリしているので不意
に流される気配も無く、オンザレールで飛ぶ様
に走る。十分に乗せたスピードでもヨレる気配さ
え無く、ここで万全の安心を得られる。
最新デザイン・トレンドの容姿と、”バルサ＆
アルミ・プレート”による飛び切りのライト・ウエ
イトは、どこかアンバランスを示唆しハイスピー
ド時の破綻を予感させるのはムリも無い。よし
んば多少の破綻ならば、プレジャーボードとして
納得しようとするスケベ心が、自分の中に見え
隠れする。だが、この様な”小心者の言い訳の
様な心の準備”は単なる”取り越し苦労”に過
ぎず、全く必要無かった。全てをガッチリと受け
止め、的確に切り替えの足場を提供し、メタル
プレート入りボードの利点である過剰な反発が
押さえられている事からプレスや抱え込みに向
いている、と思われる。
さて、ここからがウィンター・スティックＡＰの真
骨頂、独壇場となる。それは、140㎝級のボー
ドに匹敵する例を見ない超軽量（２．３㎏だ！）
と最新レーシング・ボードに匹敵する滑り、と言
うディメンションをどの様に消化するか？、が求
められてる。言うまでもなく、最新レーシング・
ボードとの違いは、詳細見ればそれだけでは無
いが、この”羽の様な軽さ”は感動的でさえ有
る。反面軽量が故に荒れたバーンで暴れる傾
向も見られるが、それはシッカリとリア加重気
味のライディングでこれは克服出来、何事も無
かった様に安定するからご心配無用。
何とも、楽しい時代ではないか？。ハイスピー
ド・プレジャーボードにコレ程異なる最新の個性
が味わえるのだ！。それも、そのＦ２・バンテー
ジの対極が国産ボードとして現れた事が、この
時期になんともスバラシイ事ではないか？！。
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とにかくウィンター・スティックＡＰの、その
驚異的な”軽やかさ”も含め”タダ者では無
い”。
それは実は最新のレーシング・デザインと
今までのアルペンボードとは全く異なる”軽
量”を直視したマテリアルを大胆に使い、全く
異なる角度からアルペン・ボードを愚直なま
でにストレートに訴求して、素晴らしい仕上が
りの”製品”として販売されてる事実により、
正しく確信となった。
最近ゲレンデで見かけるトランス・フォーマ
やガンダムみたいなボードのデッキ上に、オ
プションのメタル・パーツテンコ盛りとなった
哀れなアルペン・ボードを後目にウィンター・
スティックＡＰのナントも華奢（スマートと言う
べきだろう）な姿は、見るからに軽快で楽し
げである。
メタル・オプションテンコ盛りのボードを見る
と、その製品、実は“不良品？”なのではな
いか？”、と思わざるを得ない。本来そこまで
の剛性が必要ならば、ボードの構成に初め
から組み込まれて製品化されるのが当然で
しょう。ましてや、フル・オーダーで制作され
る様な類の、ごく高価なボード等は、それで
もフル・オプションにしないと満足に滑れない
のならば、フル・オーダー制作等全く意味を
持たないと思いますが？。
全てではありませんが、そんなアルペン・
シーンを見ているとなるほど、Ｅｎｊｏｙ Ｓｎｏｅ
Ｓｕｒｆｉｎｇ・・・を標榜するＳｎｏｗ Ｓｔｉｃｋのラ
インナップからの販売も頷けるところだ。確か
にライディングしていて楽しいのである。ゲレ
ンデを駆け下り、ストップ・エリアでは自然と
ニヤ気た顔になってしまう。そんな楽しいア
ルペン・ボードも稀少であり、これからのハッ
ピー・エンディングとなるゴールデン・ウィーク
のゲレンデで、アロハの似合うボードでもあ
るだろう。
しかも、ハイ・シーズンに於けるアルペン・
ボードとしての基本性能もシッカリと“満額担
保”されているから大したものだよ。 |
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